【子宮全摘】術後の性生活は?ガンサバイバーなった私の体験談

子宮頸がんにかかり、子宮全摘手術やその後の抗がん剤治療放射線治療による後遺症に悩む方は少なくないと思います。

性生活における悩みも、その後遺症の悩みのひとつにあるのではないでしょうか?

私自身も術後の性生活のことで大変悩みました。

しかし情報を漁っても実際の体験談や克服談があまり見つからず、病院関係のサイトに書かれている、
『パートナーとよく話し合い、ゼリーなどを使って乾燥をカバーしましょう』
的な簡単な説明ばかり。

確かにその通りなのですが、もっとがんの先輩たちのリアルな克服談や体験談、どのようにして乗り越えていったのかを知りたかったのです。

子宮全摘手術と抗がん剤、放射線治療を経て8年が経ち(2020年現在)今では性生活の悩みをほぼクリアした私が、自分自身の体験や思うことなどを全てお話したいと思います。

子宮全摘後の喪失感

悪性腫瘍を全て取り除き、抗がん剤も放射線もなんとか乗り越えて無事に退院できました。

日常を取り戻し安堵したものの、子宮や卵巣といった女性にしかない大切なシンボルを失った喪失感は、思っていた以上に大きいものでした。

子どもを産むことが出来ない=もう女ではない。

そんな卑屈な感情に支配されて、自分は全く価値のない人間だと思うようになってしまいました

退院後3ヵ月程してから、当時付き合っていた彼氏と恐る恐るセックスを試みましたがただただ痛いだけで全く濡れず、相手も途中で気持ちが萎えてしまいやめてしまいました。

もう普通に好きな人とすることもできない、女としての価値もない、愛されることももうない・・

その夜は涙が止まらなくて、声を押し殺して泣きました。

性交痛による性生活の恐怖

広汎性子宮全摘手術によって膣の一部も切除しているため、通常なら膣の長さは12cm程あるそうですが私は3cm程しかないそうです。

膣の長さが短くなったうえ腔内照射も受けているので、放射線の影響でさらに硬く委縮してしまっているそうなのです。

そして卵巣も取ってしまい女性ホルモンが出なくなるので全然濡れなくなってしまう。

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子宮全摘手術をしていなくても放射線治療を受けた方は、卵巣の働きがなくなって女性ホルモン(エストロゲン)が分泌されないため、同じように性交痛に悩む方も少なくないと聞きます。

結局それが原因になったわけではないけれど、その時の交際相手とは二度とすることはなく別れてしまいました。

性交痛の対策

自分自身の性欲は減退してしまいました。

だけどこれからの長い人生、全く性生活なしで誰かとお付き合いすることなんてできるのだろうか。

痛いからと言って放っておいたらもっと委縮が進んでしまう。

それに好きな人とは、出来るものならしたい。

担当医には、

何度もしていればある程度は柔らかくなる

長さはどうしようもない

パートナーの理解が必要

と言われました。

・・が、

痛いし怖いんだもん!

なんとかしてよぉぉ泣

性生活だけでなく、診察時の内診も痛くて毎回恐怖になっていました。

ホルモン補充療法

性交痛が辛く、術後の性生活が困難になったことも、ホルモン補充療法を勧められた理由のひとつでした。

ホルモン補充療法を始めた話についてはこちらのページのトップに貼り付けた記事で詳しく書きました。

ホルモン補充療法を始めた時には、既に当時のパートナーとはお別れしていたので相手はいませんでした。

普通の健全な身体ならば、交際相手がおらず性生活がなくなっても困ることはありません。

しかし、その時の私には焦りがありました。

そのまま放置し続けたら、日に日に膣が硬くなり委縮していざという時に出来なくなってしまうのではないかと。

人生それだけではないけれど、まだ30代だった私はこれからも長く続くであろう人生を考えると、いつかの出会いのために少しでもクリアにしておきたい問題でした。

膣ダイレーター

ホルモン補充療法を始める以前の話ですが、半年検診の時に放射線科の診察もありました。

その時に放射線科の看護師さんにも相談してみました。

ダイレーターという治療器具があるそうなのです。

どんな時に使うのか?

・婦人科がんなどで放射線治療を受けた後、膣の粘膜が炎症を起こして癒着しやすくなり性生活や診察時の痛みが起きるのを防ぐため。

使い方

膣ダイレーダーに潤滑ゼリーを塗りゆっくりと膣に挿入。
そのままリラックスした状態で10分程安静に過ごす。

サイズは5段階あり、細い物なら恐怖心もそこまで強く感じずに試すことができるんじゃない?と勧められました。

また、このような治療器具じゃなくてもいわゆる“大人が使うおもちゃ”でも代用は出来るようです。

女性のお悩みを、一緒に解決してみませんか?

悩みました。

どちらを使うにしても、痛い場所に痛いとわかっている行為を、いくら体のためとは言え自分自身で行うことは出来るのか。

どうして病院での治療のひとつにこれも含めてくれなかったの~?

リンパ浮腫もそうだけど、命が助かれば他のことは目をつぶらなきゃいけないのかな・・

と思うことは色々あるけれど、それを言い出すと話が逸れてしまうので話を元に戻します。

信頼できる友人に相談したところ、高い器具を買わなくてもネットでおもちゃくらい簡単に買えるから、買いにくいなら代わりに買ってあげるよと親切に言ってくれました。

せっかくそう言ってくれてるし、頑張って少しでも性交痛がなく出来る体になろうと意気込んでいたのですが、結局使うことはありませんでした。

出会い

膣の萎縮に怯えつつも、ホルモン補充療法以外の対策をすることもなく日々は過ぎて行きました。

変わらず内診の時はとても痛かったし、このまま誰ともセックスをすることなく生きていくんだろうなと思っていました。

退院してから約8ヶ月後にホルモン補充療法を始め、それから半年が過ぎる頃にある人から交際を申し込まれました。

その人とは術後に知り合ったので私が子宮頸がんになったことは知りませんでした。

何度もデートを重ねて色んな話をしたり楽しい時間を過ごすようになりました。

だけど病気のこと、普通にセックスをすることが難しいかもしれないということを伝えたらきっと引いてしまうだろうし、そのことで自分が傷つくのが怖くて返事を躊躇っていました。

いざ実践!

熱心なアプローチに押され、勇気を出して体のことや思っていることを伝えたところ、

「やりたくて言ったわけじゃないから」

「無理せずふたりでゆっくりいこう」

そう言われ、もしかしたら克服できるかもしれないという思いと、一緒にいて癒されるかれの人柄に惹かれお付き合いを始めることにしました

初めての時からしばらくその後も、私の体や気持ちを気遣って入れることはしませんでした。

私の恐怖心や痛さをなくしていくことだけを考えてくれていたようでした。

そのおかげか徐々に私にも怖さがなくなり、これならいつかちゃんと最後までできるかもしれない、と希望の光が見えてきたように感じました。

ときめきホルモン?

ホルモン補充療法の効果もあるのか、膣の渇きもかなり改善されたようでしたが、やはり以前のような潤いまではありませんでした。

そのため病院からも勧められたリューブゼリーを使用しました。

これで十分な潤いを補って、少しずつ少しずつ挿入を試みました。

その日無理だったらまた次回にチャレンジするといった具合に、時間をかけて挑みました。

気づけば数ヵ月経つ頃には、リューブゼリーなしで出来るようになっていました

人間の体って本当に不思議だと思います。

もちろんホルモン補充療法をしているからこそ、膣の乾燥が軽減されたのでしょう。

だけどただ、好きな人と抱き合ったりすることによって心や体が満たされること

それが、ないはずの女性ホルモンを促しているのかもしれません

まとめ

私の場合は、短くなってしまった膣を伸ばすことはできないので、一般男性の長さは奥までは入らないと医者に言われました。

同時期に共に闘病をしたがん友は、最初のうちは痛くて苦痛だったけど、何度もしているうちに体が順応してきたようで一度もリューブゼリーなどは使ったことがないそうです

私に効いた性交痛を和らげる対処法

●ホルモン補充療法

●リューブゼリーの使用

●人を好きになる気持ち

●パートナーと話し合う、理解を得る

(ホルモン補充療法は、卵巣を切除したことで起きた更年期症状の緩和のために始めました)

リューブゼリーを利用して、焦りを持たずゆっくり進めたこと。

そして誰かを好きになる気持ち、好きになってほしい気持ち、このときめきホルモンがとても重要な役割を果たしたように感じずにはいられません。

体の関係がなくても強い信頼関係で結ばれているカップルはたくさんいると思います。

私が性生活で悩み、それをどう打破したのかという視点のみでお話をしました。

同じように性生活で悩むあなたにとって、少しでも参考になれば幸いです。